1.外反拇趾のメカニズム
外反母趾って何?
外反母趾、女性特有の足の歪みです。ヒールを履く方に多い症状です。
この外反母趾はどのようなメカニズムで症状が進行するのか。整体的観点から探ってみたいと思います。ヒールを履く方に多い点からも明白なように、足指先端に無理な負荷がかかり続けることで進行します。ヒールを履いた状態は、重心がどうしても前にかかりますから、次第にヒールの形に足が変異します。
ではなぜ、外反母趾が酷い方とそうでもない方に分かれてしまうのか。
そこには骨盤の歪みが影響してきます。長時間のデスクワークの方、骨盤が弱体化している傾向の方などますますしっかりと立てなくなります。足の外側、前側の筋肉を使って歩き、ヒールを履いた時の前重心に拍車がかかります。特に太腿前の筋肉が発達してきてしまうと大変です。脚は急速に歪みます。この足の歪み、筋肉のアンバランスが重なって外反母趾はより深刻な状態に陥ります。
外反母趾は改善出来る
ではどのように外反母趾は改善するのか。結論から申しますと、身体の重心の位置を変える以外に方法はありません。ではどのように重心を移動させるのか。
先ずはヒールを履くことで、異常に発達してしまった太腿前の筋肉(大腿四頭筋)の緊張をリセットします。アスリート並みに発達してしまったこの筋肉は、冷えや疲労の蓄積により異常な状態になっています。
この筋肉をリセットするだけで、重心はかなり改善します。
続いて骨盤の矯正。デスクワークの方など骨盤が歪んで固まっています。骨盤が固まっていてはますます足の負担が増え、異常発達の原因になります。骨盤の歪み過度な緊張、脚の筋肉のアンバランスをリセットすることで、重心の位置は後ろに下がっていきます。
外反母趾と美脚の関係
実は美脚への整体プロセスと、外反母趾の改善のためのプロセスは同じです。美脚から離れれば離れるほど、外反母趾になり、外反母趾になる方は美脚から離れていきます。アンバランスな筋肉の付き方は外反母趾になっていきます。
外反母趾が急激に進行する裏事情
以上が一般的な外反母趾のメカニズムですが、女性の場合、出産後の外反母趾は、大変深刻になりやすいです。
それは骨盤の歪みもそうですが、骨盤の強さが衰えることが影響します。出産は過度に骨盤に負荷をかけますので、骨盤の締まりにダメージを与えます。骨盤は歪む以前の問題として弱くなります。骨盤は筋肉で動きますのでこの筋肉の衰えが外反母趾に悪影響を与えます。出産による骨盤底筋群の劣化で骨盤が不安定になり、身体にアンバランスな筋肉が出来、外反母趾を促進させます。出産後の骨盤を支える筋肉の強化は、改善が必須です。
2.小指が痛い!?内反小趾に迫る
長時間歩くと小指がズキズキ痛い、内反小趾
長時間歩いたり立ったりすると親指(拇指)が痛くなる外反母趾は有名です。
実は小指が痛くなる内反小趾も存在します。
外反拇指は親指が脚の外側に向かって変形していく状態です。
内反小趾は小指が脚の内側に向かって変形していく状態です。
小指の痛み、内反小趾の原因は?
外反拇趾と内反拇指の原因はほとんど一緒です。ヒールなど先が尖った靴を長時間履き、重心が前重心にシフトしてしまったことで、指が圧迫され続け変形します。ヒールを脱いだ状態でも前に重心が傾き、常に指に圧がかかります。すると徐々に指の両端が変形し始めます。
前重心になるのは、ヒールなどを履くことで本来使うべき筋肉でない、太腿前側(大腿四頭筋)や太腿外側(大腿筋膜帳筋)、ふくらはぎの外側(下腿三頭筋外側)が発達してしまったためです。
外反拇指との違いは重心の外側シフトが強い点
前重心であることは外反母趾、内反小趾共に同じですが、唯一の違いは重心がより外側にあることです。外側の筋肉を使って立っています。外反母趾も外側重心の方は多いですが、偏り方が内反拇指の方は特に強くなります。外側で立てば外側に圧がかかります。
どのように解決するのか
解決方法は、前重心を後ろ重心にシフトすること。外側立ち(外側重心)を内側立ち(内側重心)にシフトすることです。
そのためには発達してしまった太腿前(大腿四頭筋)、そして太腿外側(大腿筋膜帳筋)の筋肉の張りをリセットし、反対に太腿内側(内転筋群)、裏側(ハムストリングス)を鍛え直す必要があります。さらに下腿三頭筋(外側)の張りをリセットし、下腿三頭筋内側を鍛え直します。